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作者:長谷川哲雄  出版社:岩崎書店  出版年:2000年10月 

『散歩道の絵本―ぼくのフィールドノート』

植物や昆虫を描くのは、自然に対する信仰告白のようなもの

「あとがき」中段より
植物を描くということを、それと意識して始めてから、20年あまり経った。仕事をするようになってからでも15年くらいになる。その間の歩みは、いかにも遅々としてのろく、このごろになってようやく、いろいろなことが見えだしてきたところだ。

とは言え、ごく初期のものと比べてみると、様々な試行錯誤を経て、少なからず進歩はした。
「なぜ、もっと見ばえのする栽培種や園芸品種を描かないのか?」と問われることがしばしばある。野生種ばかり描いているので、野の花の可憐さが好きになるのだろうと、思われているかもしれない。だがぼくは、園芸種をことさら嫌うのでも、また、野生種を、その可憐さ故に好むのでもない。ぼくが植物や昆虫を描いたりする行為は、職業である以前に、自然に対する信仰告白のようなものである。言ってみれば、ぼくは、「自然の使徒」でありたいと思うのである。そういう努力をしてきたつもりでもあり、何がしかの自負もあり、この先も、そのための努力を惜しむことはないであろう。
“WeiB nicht, wohin, mich treibt der Sinn, Drum muB der Pfad wohl richitig sein.”
(「どこへだか、わからない。けれども、心が私をつき動かすのだ。だから、この道は、きっと正しいに違いない」フリードリヒ・ベッベル)