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作者:江守克彦  出版社:文芸社  出版年:2014年10月 

『イリノイ大学 スケッチ・ノート 改 ―愛、そして、悠久と瞬―』

大学の町に異文化の風が吹き荒れ、小さなカオス(混沌)が・・・

「はじめに」より
アメリカ合衆国の中西部、大都市シカゴから飛行機で約一時間の距離を飛べば、そこは一面見渡す限りの大草原と大豆、トウモロコシの畑であった。その中にポツンとその町はある。アーバナ・シャンペインである。

アメリカではよくあるのだが、ふたつの名前が連なっているこのアーバナとシャンペインは双子都市(ツイン・シティ)なのである。さらにここは、州立イリノイ大学のキャンパスがある大学町なのである。
この村落共同体に、若き異人たちが米国各地からはもちろん、世界各国からやって来る。異人たちのある者は、国を捨て、あるいは自分の属するコミュニティーから疎外され、弾き飛ばされて各地を漂泊の後、束の間の休息を求めてやってくる。もちろん、親兄弟やコミュニティーからの期待を背負ってやって来る者もいる。
これら若い異人たちは、外界のコミュニティーから、ある者は一神教を信じる民として、また、ある者は多神教を信じる民として、この地にストレンジャーとして訪れてくる(中略)。
これら若き異人たちは、その大学の土地の民に、異文化の風を吹き荒らす。そして土地の民と交歓して、その大学のコミュニティーに小さなカオス(混沌)を引き起こして、特異な空間を作り出す。その中でまさに一瞬の交歓の後、再び世界各地へ漂泊の旅へ、あるいは自分の属するコミュニティーへと散って行く。勉学と束の間の休息と淡いほろ苦い思い出を残して、世界各地へ、厳しい荒野へ去っていく。